刑事事件の弁護士は絶対に味方になるのか?検証してみた

弁護士の立場

弁護士には被告人の権利を守る役割があります。裁判が始まった段階ではその人物が罪を犯した人物とは確定しておらず、裁判によって有罪か無罪かを判断されることになります。日本では刑事裁判のほとんどが有罪となっているのですが、中には後に無実であることが判明する冤罪も発生しています。そのため、刑事裁判における弁護する人物の役割は非常に大きいと言えます。しかし、被告人が明らかに罪を認めている場合はどうでしょうか。

明らかに有罪と分かる状態であり、しかも被告人が罪を認めている場合は基本的に無実の主張を行いません。ただし、弁護士の中にはそのような状態であっても無罪を主張するようにする方もいます。

それはどんなケースかというと、被告人が罪を認めつつも無罪になるようにと依頼するケース、弁護士が自分の力なら有罪を覆せると考えているケース、被告人が誰かのために罪を被ろうとしているケースなどです。これらの状況において無罪を主張するかはそれぞれの弁護する方の判断に委ねられます。被告人を諭して無罪の主張を取り下げる方もいれば、無罪の主張を貫く方もいます。

しかし、明らかに罪がある場合に無罪を主張しても、それが通ることは余程のレアケースであり、通ってしまうと司法の抜け穴が指摘されることになります。

味方なのか?

では、味方かどうかという観点で考えてみます。被告人が無罪と主張してほしいと話しているケースで無罪を主張するのは弁護士が被告人の味方をしているように見えます。仮に裁判で負けてしまったとしても最後まで諦めずに無罪を主張してくれれば、味方してくれたと思うかもしれません。

しかし、無罪ということばかり主張して、刑の軽重に関する主張が少なければ結果的には重い罪になることもあります。これは必ずしも被告人の権利を守っているとは言えません。明らかに無罪と分かる場合は被告人を諭して罪自体は認め、その上で量刑を争った方が結果的に刑は軽くなる可能性もあります。このように被告人の無罪主張をそのまま法廷で伝えるだけではなく、状況に応じて被告人の権利を守ることが弁護士の役割です。

そういう意味での味方でもあるわけです。いわゆる一般的な意味合いでの味方というよりは、状況を冷静に見極めて被告人の権利をどう守っていくかという観点での味方と言えます。被告人が罪を認めていても実際には無実であるケースも裁判においては存在します。裁判においては被告人の供述以外にも証拠が必要であると定められています。

別の人物が犯した罪を被ったり、共犯者の存在を伏せたりといったケースもあります。弁護をするということはその依頼者の権利を守ることが重要なので、そういったバックボーンは見極めていかなければなりません。弁護士はそれぞれの方ごとに弁護の方向性が変わることもあります。過剰弁護の問題が話題になったこともあります。そのため、依頼をする時にはどんな方を選ぶのかも重要となっています。