執行猶予にしてほしい

執行猶予のメリット

刑事事件の裁判で刑罰を決めるものとして、懲役、禁固、そして執行猶予の3種類があります。懲役や禁固に関しては判決が確定すれば即刑務所に収監され服役することになります。一方で執行猶予に関しては文字通り執行が猶予されるものです。猶予された期間を問題なく過ごせば最終的には刑務所に行かなくて済むメリットがあります。

執行猶予では、懲役や禁固の刑期と合わせて執行猶予の刑期が判決で決定されます。たいていの場合には懲役や禁固の刑期と比べて長く設定されており、この執行猶予の期間中、犯罪を起こさなければ刑期を全うしたとされます。つまり執行猶予の期間をすぎれば判断されます。一方で執行猶予中に犯罪を起こすと即収監され判決で受けた懲役や禁固の刑期を全うしなければなりません。いずれも有罪判決に変わりありませんが、執行猶予になることで得られるメリットもあります。

ひとつは執行猶予判決が下されると有罪判決であってもすぐに釈放されて自宅に帰ることができ、留置所などからの拘束が解かれます。また会社の取締役をしている場合には禁固刑以上に処せられたものは、その刑期を終えるまで取締役としての役職を行うことができません。これは刑務所に入っている間は取締役としての責務を果たせないためですが、執行猶予であればこの規定には該当しないので取締役としての職務を行うことができます

ただし執行猶予中に犯罪を起こしてしまうと自動的に判決で申し渡された懲役や禁固などの刑期を受けなければなりませんから、その時点で取締役になることができなくなります。いずれにしても有罪判決後、警察や検察などの監督下から解放されて、すぐに自由になることができるのが執行猶予になります。また社会的な影響を見てもすぐに刑務所に入る必要がない執行猶予であるかどうかが人生に大きく影響します。

弁護士のサポート

執行猶予にしてほしいと思った場合には腕利きの弁護士に弁護してもらうことのほか、裁判官に対する心証が大きく左右します。特に情状酌量の余地がなければ執行猶予を得るのは難しいといえます。このため基本的には裁判時に十分な反省の情を伝え、二度と同じ過ちを起こさないといったことや社会復帰が十分に可能であるといったことを抱かせることが重要になってきます。このため腕利きの弁護士であっても執行猶予にすることができるというわけではなく、本人の態度が大きく影響します。

一方で執行猶予になる条件としては、犯行態度が悪質ではないことや被害が軽微であることといった重要な刑事事件でない必要があります。刑事事件でも強盗や殺人といったものでは、どのような弁護士であっても執行猶予を獲得するのは困難です。また重要な刑事事件でない場合に加えて、被害を弁償し、示談が成立していること、被害者が事件を許していることも大きなポイントです。このため弁護士に依頼して執行猶予を目指す場合には、まずは被害者との示談を成立させる必要があります。