強制性交等罪とは?加害者になったときに弁護士に期待できること

2018年2月27日

強制性交等罪とはどんな犯罪か

強制性交等罪」とは、脅迫や暴行などを用いたうえで、相手の性器、または口腔や肛門などに自分の性器を強制的に挿入する行為を主に指し、性犯罪の中では最も重い刑罰に当たります。

これに類似したものに「強姦罪」がありましたが、2017年の法改正にともない、「強姦罪」は廃止されました。「強姦罪」の内容を周到しつつ、新たな変更点を盛り込んで施行されたのが「強制性交等罪」です。

刑法改正によって変わったこととは?

「強制性交等罪」が施行されたことで一番大きく変化したのは、性的な暴行の対象に男性が加わったことです。以前の「強姦罪」は、強制的に性的行為を行う相手が女性の場合のみに成立するという制限がありました。

たとえ、性器や肛門などに損傷が見られるような性的暴行を受けたとしても、被害者が男性であれば「強姦罪」にはならなかったのです。男性が性的な暴行を受けても、適用されたのは「強制わいせつ罪」または「暴行罪」になります。

しかし、「強制性交等罪」の施行によって、被害者が男性の場合でも、本人の合意なく強制的に性交等が行われれば、性犯罪として成立することになりました。

そして、もうひとつの変更点は、罰則がより厳しいものになったという点です。「強姦罪」では有罪判決を受けると懲役期間は3年というものでしたが、「強制性交等罪」では最低でも懲役5年以上に見直しがされています。

また、「強姦罪」や「強制わいせつ罪」では、被害者本人による告訴がない限り起訴されませんでしたが、「強制性交等罪」は被害者本人の告訴がなくとも起訴が可能となっています。このように、社会の変化など現代の風潮も反映し、性犯罪の刑罰としてさまざまな点で厳しい措置が盛り込まれているのが、「強制性交等罪」なのです。

加害者になった場合に問われること

従来の「強姦罪」では、被害者本人が加害者を裁きたいという強い意思が必要でした。しかし、暴力や脅迫によって強制的に性的な行為を行われた被害者にとって、実際に加害者を訴えるのは精神的に大きな負担です

この部分が改正されたことで、以前では陰に埋もれてしまったような性犯罪も、裁かれやすくなったといえます。

逮捕され、さらに起訴されれば、90%以上が有罪判決を受けるのが現状です。実際に加害者になった場合は、まず刑事罰として裁かれますが、それだけで終わるということではありません。被害者から民事でも訴えられる可能性は十分あります。

その内容は、性的暴行に対する慰謝料の請求です。民事訴訟になれば、慰謝料の支払いも発生します。慰謝料の請求金額はさまざまで、被害者がどの程度の精神的損害と肉体的被害を受けたかで変わります。

被害の程度に応じた治療費に、仕事や生活面にも支障が出ていれば、その部分に対しても賠償が求められます。

慰謝料の相場は、ケースによって大きく異なりますし、裁判所の判決ではなく和解によって決定する場合もあるため、過去にどのような判例が出ているかを参考にするしかありません。しかし、加害者として支払う義務があります。この他に、社会的な立場を失うことも覚悟しておくべきでしょう。

加害者になったらすぐ弁護士に相談を

「強制性交等罪」の加害者に対して弁護士ができることは、懲役期間の短縮への働きかけと被害者との和解交渉です。起訴されてしまえば、それを無罪にするのは難しいことといえます。

そのため、

  • 「懲役期間をできるだけ短いものにすること」
  • 「被害者とできるだけ和解に持ち込むように交渉すること」

が弁護士の役割です。慰謝料の額も、弁護士の交渉次第では抑えられる場合もあります。必ず思うような結果に持っていけるとは限りませんが、弁護士に相談することで刑罰や慰謝料を軽減できる可能性もあると考えてください。

また、万が一被害者の証言が事実と異なるような場合には、逆に訴訟に持ち込むこともできます。「強制性交等罪」に問われたら、できるだけ早く弁護士に相談するといいでしょう