刑事事件公判の流れと進行を初心者向け解説

刑事公判とは?

裁判官、検察官、弁護士の法曹三者が一堂に会する場といえば、刑事事件公判が行われる裁判所の法廷です。検察官は被告人の犯した罪の事実を証明するために、弁護士は被告人の無実もしくは情状酌量の余地があることを証明するために、裁判官は公判を取り仕切るとともに、検察官、弁護士、証人、被告人のやりとりを聞き、時には自ら質問をし、刑事事件に関して判決を出すために法廷での仕事に臨んでいます

そんな刑事事件の公判は、裁判官が被告人に氏名や住所、職業、年齢などを尋ねる人定質問から始まります。これが終わると、検察官から起訴状の内容が読み上げられ、その後裁判官が被告人に黙秘権があることを告げ、被告人と弁護人に起訴状に対する意見を聴取する罪状認否に入ります。ここまでの流れは必ず第1回目の公判で行われ、公判期日が複数回設定された場合は2回目の公判からは行われません。

罪状認否が終わったら、証拠調べ手続に入ります。重大事件や否認事件の公判が長引くのは、ここで多くの時間が割かれるのが理由です。証拠調べ手続の冒頭では、検察が冒頭陳述を行って、その刑事事件の公判を通じて立証しようとしている被告人に関する事実を明らかにし、その後に検察側と弁護側の双方の立証が行われます。

ある証拠に関する立証活動の基本的な流れは、まず一方が裁判官に証拠調べを請求し、もう一方がそれに対して同意あるいは不同意を旨とする意見を述べます。裁判官は双方の意見を聞いて請求を認めるかどうかを決め、認めた証拠についてはその場で取り調べを行います。証拠が物品である場合はその現物を示し、文書の場合は要旨が述べられ、人間の場合は証人尋問が行われ、検察官と弁護人がそれぞれ証人に対していくつか尋問をします。

証拠調べ後

証拠調べがすべて終了したら、弁護人、検察官、裁判官の三者による被告人質問が行われます。これが終われば、検察側と弁護側の双方が刑事事件に関する最終意見を述べ、最後に被告人本人が意見陳述をして結審となります

この最終意見は、弁護側のものは最終弁論と呼ばれていますが、検察側のものは刑罰を適用すべき旨とその量刑が含まれているため論告求刑と呼ばれています。結審後、即決裁判手続が開始されていれば原則としてその日のうちに、それ以外の通常の手続きであれば、最短で1週間前後で判決が出されますが、重大事件だと1ヶ月以上経った後に判決を言い渡すための公判期日が設けられることがあります。

刑事事件の公判は、軽微な事件であれば1日で終わりますが、被告人が起訴事実を否認している事件や重大事件であれば数十回の公判期日が設けられ、年単位の期間をかけて行われることがあります。公判期日は、当事者には裁判所から直接本人あてに出頭を命令する書面が送達されますが、当事者ではない人は裁判所内の掲示板を見るか、訴訟事務を担当している部署に電話で問い合わせないと正確な日程を知ることができません。