刑事事件公判での検察官の仕事とはどういうもの?

検察官とは?

刑事事件が発生すると、基本的に刑事警察が事件の捜査を行います。警察が事件の被疑者を逮捕して取り調べた結果、被疑者が犯罪行為に関わった可能性が高く、軽微な犯罪でないと判断すると検察に送検します。ちなみに刑事事件の大半は警察が捜査を行って被疑者を逮捕しますが、一部の重大な金融犯罪については警察ではなく検察が捜査・逮捕を行います。

送検後は検察官が取り調べを行い、起訴または不起訴の判断をします。起訴が決定すると、裁判所で刑事事件の公判が行われます。重大事件であれば、裁判員裁判が行われます。検察官の仕事は、刑事事件公判が始まった後も続きます。
刑事事件公判が始まると、検察官は裁判に立ち会います。裁判の際に、検察官は取り調べた結果や証人による証言などに基づいて、裁判所に証拠を提出します

必要に応じて証人尋問を行い、被告人が犯罪を犯したことを証明します。裁判の際に証拠や証言などを通して被告人が犯罪行為を行った事を証明することを、「証拠調べ」と呼びます。証拠調べが一通り済むと、被告人の行った犯罪の種類や程度・反省や被害者と示談の成立の有無・被害者の意見などを総合的に判断した上で、被告人に対して必要と思われる刑罰を求めます。この手続きのことを、「求刑」または「論告求刑」と呼びます。

近年は犯罪被害者参加制度に基づき、被告人の刑罰を判断する材料として刑事事件の被害者が裁判所に出廷して意見を述べるケースもあります。犯罪の被害者が裁判で意見を述べることを希望する場合は、検察官に対して申出が行われます。被害者が法廷で意見を述べるか否かを判断して、発言のサポートをするのも検察官の仕事です。

裁判における働き

裁判官は、検察官が提出した「証拠調べ」「求刑」・被告の弁護人・被告・証人などの主張・発言内容などを総合的に判断して、有罪または無罪の判断を下します。有罪と判断された場合には、検察官による「求刑」に基づいて、刑罰が決められます。公判期間中は、最初から最後まで検察官が裁判に立ち会います。裁判で判決が出た後も、検察官の仕事が終わったわけではありません。判決内容を事件の重大さや被害者の感情と照らし合わしながら精査し、場合によっては上級の裁判所に上訴(不服申し立て)を行います。

2009年5月21日に、日本で裁判員制度が始まりました。一部の重大犯罪については法律のプロである裁判官と、一般国民から選任された裁判員によって刑事事件の審理が行われることになりました。法律の知識がない一般の人が「証拠調べ」や「論告求刑」の内容を理解する必要があります。このため、初めて刑事事件公判に参加する“一般人”である裁判員が事件の証拠や論告求刑の内容・理由を理解できるようにするために、検察官が分かりやすい資料を作成した上で説明をします。

法律に関する専門的な知識を持たない裁判員に対して、公判の際に事件の内容を分かりやすく解説するのも検察官の重要な仕事です。裁判員裁判が開かれるのは重大事件のみなので、検察官は大きな事件の内容を裁判員がきちんと理解することができるように、時間をかけて丁寧に内容の説明をします。